知床の記憶

ヒグマの生態とピッキオの安全対策をご紹介!

知床国立公園はヒグマの生息地。
知床半島だけで約400~500頭のヒグマが棲んでいると言われています。
森の中を歩くということはヒグマの棲家にお邪魔するということ。
安全にツアーを楽しんでいただけるよう、我々ピッキオのヒグマ安全対策の取り組みを
彼らの生態と共にご紹介いたします。

《目次》

性格から見るヒグマの生態

ヒグマは本来、人を襲う動物ではありません。
とても臆病で怖がりな性格をしているので、人の気配に気づくとヒグマの方から逃げて行ったりやり過ごしたりすることが多く、
人との事故が起きてしまう状況は、ヒグマが何かを守りたいと思ったときがほとんどです。

ヒグマの守りたいものは主に3つ。
1つ目は、自分自身。逃げられないこと悟ると「攻撃」という行動に出ることがあります。
2つ目は、子供。ヒグマの世界でも母は強し。子供を守るためなら母グマは決死の覚悟で攻撃に出ることがあります。
3つ目は、エサ。一度に食べきれないシカなどの大きなエサを手に入れたときは、彼らは何日もそこにとどまって食べ続けます。餌に近づく者がいれば食べ物を奪われないように攻撃的になります。

ヒグマとの事故を避けるには遭遇時にどんな行動をとるかがとても重要になります。

ヒグマに出会わないために

ヒグマとの事故を避けるためには、ヒグマに出会わないことが何よりも大切。
だからこそ、森に入るときに守ってほしいルールがあります。

1.ヒグマの誘因物を森の中に持ち込まない
ヒグマは嗅覚に優れた生き物。
そのため、食べ物類・お菓子類、ジュースなどのお砂糖の入った飲み物はヒグマの誘因物になってしまうので持ち込みはNGです。
ドリンクの持ち込みは、水かお茶のみがより安全です。
また、ごみの持ち込みもNG。
ごみを食べて人間の食べ物の味を覚えてしまうと、食べ物を手に入れるために人間に近づくようになってしまいます。
よって、森の中にお菓子などを持ち込み、食べてそのかけらが森に落ちてしまう事、そしてそのゴミが森に落ちてしまうことも、動物の餌付けと同義なのです。

2.音を出しながら歩く
クマ鈴や手を数回大きめに叩くなど、自然界にはない音を出しながら歩いて、ヒグマに人間の存在を知らせてあげましょう。
人の存在に気付いたヒグマはほどんどの場合自ら離れていきます。
子連れの母グマも余裕をもって事前に離れることが出来るので、突然の遭遇や子供を守るための攻撃を未然に防ぐことが出来ます。

3.周囲の様子への気配りを忘れずに
フンや足跡もヒグマがいる可能性があるよ、というサインです。
藪の中からのガサガサ音やパキパキ音、動物のにおいがしたら、近づかずに早めに立ち去りましょう。

ヒグマに遭遇したら

それでもヒグマに出会ってしまったら、次の2つを守ってください。

1.大きな声を出さない
突然ヒグマに出会ったらびっくりしますし怖いですよね。でも、それはヒグマも同じ。
大きな声を出してしまうと余計にヒグマを怖がらせたり刺激したりすることに繋がります。
そうすると彼らは自分自身を守るために攻撃という選択肢を取る可能性が高くなってしまいます。

「声を出さずに、先ずは静かにする」これを肝に銘じておきましょう。

2.決して走らない
ヒグマは本能的に目の前で動くものをつい追いかけたくなる習性があります。
だから、遭遇時に走ってしまうととっても危険。
まずは動きを止めてヒグマの様子を伺い、ゆっくりと後ずさりをしながらヒグマと距離を取りましょう。

ピッキオのご案内するトレッキングツアーでは、出発前にガイドが必ずお客様の持ち物チェックと、
ヒグマ遭遇時の行動についてしっかりとご案内しています。
そして、クマ撃退スプレーも必ず携帯した状態でご案内いたします。

また、弊社は知床五湖登録引率者が多く所属する事業所です。
知床五湖登録引率者制度とは、ヒグマ活動期(5月10日~7月31日)の知床五湖を安全に案内するためのガイド資格制度です。
対ヒグマ対策のトレーニングを豊富に積んだガイドが皆様をご案内いたします。
(ご興味のある方はこちらをご覧ください:https://www.goko.go.jp/ground_pathway.html

知床の森はどこもヒグマの棲み処。人間はヒグマの棲み処にお邪魔させてもらっている立場です。
上記の注意点を守って、ヒグマとの遭遇リスクを回避しながら、私達と一緒に安全に知床の森を楽しみましょう!

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